FINAL FANTASY零式HD（ファイナルファンタジー レイシキ）をプレイした感想と評価レビューをまとめます。
まず結論から
最後まで進めることでかなり楽しめるゲームでした
評価は ４．０くらいです
本作はFF13の関連作品として作られていたため、「ファブラ・ノヴァ・クリスタリス」という神話を共有したものとなっています。そのためパルスとルシが登場しストーリー上で大事なポジションを担っています
なので「パルスのファルシのルシがコクーンでパージ」を体験した人ならより楽しめるかもしれません
正直なところ最初は微妙かも・・・と感じていましたが、思ったよりスルメゲーであり最終的には高評価に好転した作品でした
以下、個人的な意見をまとめていきます
良かったところ
最終的に面白いと感じられるストーリー
従来のFFシリーズはファンタジー色が強いですが、こちらは国家間の戦争を描いた作品となっているため現実寄りで結構重めの内容となっています。そのためストーリーの始まりからガンガン人が死んでいきますし、戦闘後にはその戦いで出た犠牲者数なども細かく開示されます
なので外伝とは言えFFとしては異質さを感じましたが、逆に新鮮味を感じながらプレイすることができました
また、ストーリー上で「クリスタルが死んだ人間の記憶を消してくれる」と語られますが、これが重要な設定となっています。最初は「そうでもしなければ前には進めない、戦うことなんてできない」と0組を通してプレイヤーに伝えてくれますが、最終的には「忘れること、忘れられることの恐怖」を中心にストーリー展開されていくので、心情の変化を見ていくのが面白かったです
ただ1周クリアしただけではストーリーを理解するのが難しいと言えます
2周目ではミッションコード【クリムゾン】と呼ばれる要素が追加されるため、そもそも周回を前提に作られている作品であり、こちらをクリアした上で朱の目録にある追加の特典映像だったり、キャラの詳細、設定を見ることで真に楽しめるようになっています
なので個人的には「こんなに細かく設定が練られているのか、面白いじゃん！」と思って読んでいましたが、そういうのが面倒だったり、とりあえず1周クリアしたから終わりという人には合わない作品かもしれません
一部の戦闘システムは好評
コマンドバトルでありながらアクション性の強い戦闘システムとなっています
更にプレイアブルキャラ全員が別々の戦闘スタイルを持つため性能の差別化がされており、自分に合ったキャラクターや使いやすいキャラクターを見つけられるのが良かったです（自分はエースとキングをメイン使用しました）
また戦闘システムの中で「キルサイト・ブレイクサイト」の仕様が良いと思いました。これは敵の行動前後に「ピコーン」という音と共にサイトが表示されるもので、これが表示されている間に攻撃を当てることで敵を一撃で倒したり、長時間ダウンさせることができます
これのお陰で雑魚敵をガンガン倒せた時は爽快感を得られましたし、ボス戦も動きを見極めれば攻撃チャンスが巡ってくるのでただのゴリ押し連打ゲーにならずに機を窺う楽しみ方ができました
悪かったところ
操作性やカメラワークに難アリ
元々PSPのゲームなので少ないボタンに複数操作が割り当てられていたのがそのまま引き継がれていました
例えば物を拾おうと思ったら魔法が暴発したり、ファントマを回収しようと思ったらまだ生きている敵にロックオンが飛んでしまったり、その敵を倒している間に死体が消滅してしまいファントマの回収ができなかったりとちょいちょいストレスを感じるところがありました
またカメラが頻繫に動くので人によっては酔って遊べないかもしれません。特に戦闘中はロックオン対象の切り替え時などにメチャクチャ揺れますので、自分もちょっとキチぃなと感じました（これでも改善はされているらしいですが）
ゲームバランスが悪い
HD版ではバランス調整が行われた上で難易度「容易」が追加されているため、PSP版よりかは遊びやすくなっていると言えます
しかし本作はレベルアップ時の成長度が低く、特にHPはちょっとしか上昇しない仕様なのに対してレベル差補正がキツく設定されているため、難易度が低かろうが敵よりレベルが低いと普通に死にます
なので「レベルを上げて物理で殴る」が奇しくも正解と言えるのですが、そのレベル上げが非常に面倒です。そもそも1人育てるのが大変なのに、プレイアブルキャラが14人と多いため満遍なく育てるというのは無理な作りになっていると言えます
その上でパーティーを分割して攻略させるステージ（主にラスト）もあるため、少なくとも2人の育成が要求され手間でした。メインキャラだけでなくリザーブキャラクターにも経験値が入れば遊びやすかったと思います
また、本作にはコンティニューがないため全滅したらセーブポイントからのやり直しとなります。「マキナの戦い」を除いたメインストーリーのステージではセーブポイントが多数用意されているので全滅しても少ない手戻りで済みますが、実践演習のようなクリアするまでセーブできないステージ、かつ耐久戦を要求されるものになると平気で2,30分がパーになるので全滅時の虚無感がヤバいです
キャラ性能の差についても気になりました。特に物理的に攻撃が届かないと言う意味で近接キャラの使い勝手が悪かったです。更に「キルサイト・ブレイクサイト」を狙って戦う仕様上、攻撃が遅いキャラや着弾までにラグがあるキャラクターも微妙でした
まぁ使わなければそれで良いので途中からは気にしませんでしたが、それのせいで3回くらいしか触らなかったエイト君の記憶があまりにも薄く、正直顔も思い出せません。僕もクリスタルに記憶を消されている可能性があります
まとめ
システム面についてはプレイしていて不便に感じる所が多々ありましたが、ストーリーは満足度の高いものとなっていたので総合的には楽しく遊ぶことができました
ただ、人によってはマキナの行動について不快に思うかもしれません
かく言う自分もマキナの0組への態度や勝手な行動はイラつきましたが、こうなったのはクリスタルに記憶を消される現象を逆手に取られ疑心暗鬼になるようなことを上層部から吹き込まれたことが原因ですし、ルシとしてクリスタルの命に従わざる負えない点もありますし、そもそも根までたどるとマザーが全ての元凶と言えるので、ヘイトを買う役として運悪くマキナが選ばれてしまっただけなのだと納得できました
ちなみにメインテーマになっているBUMP OF CHICKENの「ゼロ」もめちゃくちゃ良い曲なのでオススメです
