Thymesia(ティメジア)をプレイした感想と評価レビューをまとめます。
まず結論から
ちょっと微妙なところもありますが面白いゲームでした
評価は 4.0くらいです
ソウルライクゲームハンターなのでプレイしたいとずっと思っていた作品です
今回ついにプレイまで漕ぎつけましたので以下、個人的な意見をまとめていきます
良かったところ
様々な疫術を楽しめる
疫術とは所謂スキルに該当する機能で敵にダメージを与えるものから自己強化や回復など様々な効果を持っています
主人公の武器は剣で固定されており、それ自体の強化などはありませんが、代わりに疫術が手斧やナイフなどの形状をしているのでこちらがサブ武器の役目を果たしています
疫術は最大で2種類セットできるので実質3つの武器を使うことができ、色々と組み合わせを考えながら使えるところが良かったです
また敵からドロップするアイテムを使うことで疫術を強化することができ、威力上昇やコストの減少、アクションの追加などを行えます。これにより例えば手斧の場合は斬りつける攻撃に加え投げる攻撃が追加されるので遠近で使い分けできるようになったりと、アクション性や戦法の幅が広がるのが良かったです
更にステータス条件を満たすことでより強力な効果になったりデメリットが軽減されて使いやすくなったりしますので、今のステータスに合ったものや今後のステ振りを意識したものを選んで使うという面白さもありました
また疫術は敵から奪うことも可能で、その場合はノーコストで1度だけ使うことができるので制限を気にすることなくガンガン使っていけるのも良かったです
スタミナ制限がないなので自由に動かせる
ソウルライクゲームはスタミナを消費して攻撃や回避を行うものが多いですが、本作はスタミナというステータスが存在しません。そのため行動に制限がかからないので、好きなだけ自由に動かすことができます
スタミナがあることで生まれる「次にどう動くか」という駆け引きは面白さを感じさせる一要素ではありますが、個人的には行動制限がかからない方が思ったように動かせて好きなので良かったです
また剣攻撃、爪攻撃、回避、パリィ、疫術などを立て続けに使用するゲームスタイルであり、ゲームスピードも速いのでゲーム性にもマッチしていると感じました
とどめ演出がカッコイイ
敵にとどめを刺す際に専用のアニメーションが再生されカメラ演出が入りますが、この時のとどめ演出が非常に良かったです
特にボス戦はそれぞれ専用の演出が用意されており、どれもカッコイイので見ていて楽しかったです
いくつかのプレイヤーに優しい仕様
チェックポイントが近い
各ステージに配置されている強敵を倒すことで回復薬を強化するためのアイテムが手に入ります。ゲームを進める上で必ず入手しておきたいものですが、この敵は強めなので慣れるまでは1発で勝つことが難しいと感じました
しかし比較的近い位置にチェックポイントを置いてくれているのでリトライしやすい作りとなっているので良かったです
またボス敵についてもチェックポイントが近いのでありがたかったです
リトライ後もドロップ品が残る
敵を倒した時に疫術を強化するためのアイテムがドロップしますが、乱戦中だと拾う前にやられてしまうことが多々ありました
しかしそのエリアから出ない限りはドロップ品が残っていてくれる仕様でしたので、もう一度同じ所にいけば拾える点は助かりました
悪かったところ
スーパーアーマーになるタイミングが多い
敵が攻撃モーションを取った瞬間からスーパーアーマー(ゲーム内用語で言うと妨害無効状態)になるため、被せるように素早い攻撃やリーチのある疫術を当てても行動をキャンセルさせられない点が気になりました
これのせいでリーチが長いという利点がないですし、一連のモーションを出し切るまでが長かったり、出始めるのが遅い疫術については被弾覚悟で使わなければなりません
一応そういった疫術にはモーション中は被ダメージ50%減少などの効果がついているため制作者が意図して作り出した状況だと考えられますが、被弾を前提として使わなければならないという調整はあまり好ましくないです(ダメージを受けることで発動するカウンター技とかなら理解できますが)
また、スーパーアーマーがつくのがボス敵とかであれば別に構いませんが、そこら辺にいる雑魚敵が全てこうなので気持ちよく倒せずに怠かったです
ほとんどの場合、1か所に複数の敵が配置されているので先手を取って潰せないとタコ殴りにされるのでイラつきました。乱戦させたいのなら雑魚敵なんて適当に剣を振っていれば怯ませられて簡単に倒せるようにしておいて欲しかったです
ただしこの仕様はプレイヤーにも適用されるので疫術の使用が中断されることはありません。お互いにスーパーアーマーでゴリ押すのはちょっと微妙ですが、一方的に潰されないこと自体は良いと思っています
被ダメージが大きい
プレイヤー側は「敵にダメージを与えた後に爪攻撃で体勢ゲージを全て削りきることでとどめを刺せるようになる」という2段階の手順を踏むのに対して、敵からの被ダメージはそのままHPに直結しています
まぁそれ自体は別に構わないのですが、敵の攻撃は実ダメージと体勢ダメージが合算されているような感じなのでダメージの比率が大きく、数回攻撃を受けただけで簡単にやられてしまうのが気になりました
しかし防具という概念がないため被ダメージを下げることもできませんし、レベルアップ時のHP上昇率も4、5レベル分でやっと1発分補えるといった感じなので非常にしょっぱいです
しかも敵から手に入る経験値に対してレベルアップに必要な経験値が多いので簡単に強化できないですし、そもそも最大50レベルまでしか上げられないのでHPを上げるにしても上限があります
こういった状況に対し、上記で挙げたように敵がスーパーアーマーを持っていたり、行動キャンセルできないことを考えると仕様とゲームバランスがミスマッチしていると感じました
特にレベルが低く、回復薬の強化も進んでいない最初のボス戦が顕著であり、敵の攻撃を適切にさばけるようにならないと一生勝てません。スパルタ式のチュートリアルと言われればそうかもしれませんが、最初のボス戦でいきなり第二形態まで出してくるのは違うんじゃないかなぁと思います
パリィの受付時間が短い
敵の攻撃をパリィ(跳ね返し)することでダメージをそのまま返せる点が本作の売りだと思っていますが、パリィの受付時間はかなり短いのでリスクが高い行動となっています
性質としてはSEKIROの弾きに近いのですが、あちらは受付時間が長いですし弾きに失敗してもガードで受けれるためほぼリスクがありません
こちらは技能でガードを取得することは可能ですがパリィとの二者択一になるため共存不可です。そのためタイミングをミスれば即ダメージ、連続で失敗すればそのまま負けるといった塩梅となっており、ハイリスク・ローリターンな作りになっているので勿体なく感じました
一応パリィの受付時間を伸ばせる技能もありますが、そちらを取ってしまうと反射ダメージが下がってしまいリターンが更に減るので微妙です
ただし反射ダメージを増やす技能を取った上で敵のモーションを覚えてパリィしまくれるようになるとガンガンHPを削れるので面白くなります。そこまで慣れる頃にはもうクリア寸前なんですけどね・・・
ただ回避行動は無敵時間長めな上に回避に成功するとバフが付くので、そっち主体の方がストレスなく遊べたのかもしれません
弓の敵がうざい
感知距離が長いので長距離射撃してきますし、どれだけ離れていても的確にエイムしてきます
しかもオブジェクトを貫通して矢が飛んでくることもあったので意味が分かりませんでした
近づいてしまえばただの雑魚敵ですが、大体高台に配置されていたりとすぐには倒せない場所にいるたので何だかなと思いました
全体的にUIが小さい
海外のゲームによくある話ですが文字が小さいです。サイズも変えられません
またほとんどボイスのないゲームなのでボス戦などで敵が何か喋ってても気づきにくいです。というか戦闘中に読んでる暇ないです
エリアに落ちている文書などから世界観やストーリーを読み解く形式になっていますが文字が小さいので読んでると疲れます
しかも文書が落ちている場所の後ろやオブジェクトの影などに敵を潜まるとかいうクソ配置が多々見られたので、読ませたいのか読ませたくないのかよく分かりませんでした
まとめ
SEKIRO + ブラッドボーンという評価をどこかで見た気もしますが別にそういった感じはせず、独自の要素や世界観を持っており良い作品だと思いました(ストーリーは医療教会の血の医療みを感じましたが)
しかしゲームバランスの調整がちょっと微妙なので面白いと感じ始めるのに時間がかかるかもしれません。少なくとも自分は最初のステージをプレイしている時点ではあまり面白さを感じられませんでした。ボスがやたら強いですしね
ゲーム終盤で「変異したオーダ」というボスをほぼノーダメージで倒せるようになってからやっと面白さを感じました。おそらく敵の攻撃をパリィしまくれるようになったのが理由です
そう考えるとSEKIROくらいパリィの受付時間は長くても良かったのではないかと思います。あれだって弾けるからといって簡単なゲームという訳ではないですし
上記より、面白く感じられるかどうかがプレイヤースキルに大きく左右されるのでソウルライクゲームが好きで色々やっている人は楽しめるかと思いますが、装備やアイテムでゴリ押せるようなシステムではないので、それ以外の人には向かないかもしれません
ただし本作は少人数(7人?)で制作されたゲームなので、そういった観点から見るとクオリティも高く素晴らしい作品だと思っています
今後、より洗練された作品が出ることを楽しみに待っています