NieR Re[in]carnation(ニーア リィンカーネーション)のウェポンストーリーまとめ(杖)です。
数が多いので穴開きにはなりますがチマチマ更新したいと思います。
- 赤鉄の杖
- 青鉄の杖
- 翠鉄の杖
- 殴殺の杖
- 残光のカルディア
- 幽囚の杖
- 白鉄の杖
- 黒鉄の杖
- 赤血の戦棍
- 銀雪の眼
- 7号の杖
- 塗炭の杖
- エトランゼ
- 花憐の杖
- 勝利の導杖
- 拷奪の叩刑
- 金翅・冠羽
- 廃鋼ノ禁柱
- 裁定の杖
- 一輪挿の杖
- 知識の杖
- プロゴノスの追憶
- 神秘石の杖
- 幽光のステファノス
- BSE_TypeMW
- 抗抵の薬杖
- 黒の渇仰
赤鉄の杖
一人の少年が、門の前で泣いていた。 彼は名門と呼ばれる魔法学校への入学を目指していたが、とにかく貧乏で、ろくな魔道具すら持っていなかったため、入学を拒否されたのだった。
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少年は夢を諦めるつもりはなかった。 そのためにも、まずは魔道具を手に入れなければ…… 彼は苦肉の策として学校に忍び込み、ゴミ置き場に捨てられている、薄汚れた杖を手に入れた。
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数年の時が経ち、少年は魔法学校を首席で卒業する。 そして、その栄誉を称えられて、学校から立派な杖が贈られた。 彼はついに薄汚れた杖を捨て去り、名実ともに魔術師の道を歩みだした。
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さらに数年の時が経ったのちに、多くの者に将来を期待された一人の魔術師が自殺してしまったという。 なんでも彼は薄汚れた杖を捨てた以降、まったく魔法が使えなくなってしまったそうだ。 |
青鉄の杖
男が漁をしていると、変な物が網にかかった。 手に取ると、それは杖だった。 男はそのボロボロな杖をきれいに磨き、部屋に置いて飾ることにした。
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夜が明けて男が目を覚ますと、部屋に飾った杖がなく、代わりに美しい娘がたっていた。 男は不思議に思ったが、なによりその美しさに見惚れて、共に暮らすことにした。
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あるとき男の家が火事に見舞われた。 男は死を覚悟したが、娘は静かに立ち上がると、炎の中に身を投じた。 男は唖然とその姿を見ていることしかできなかった。
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気が付くと燃え上がった炎は消え、部屋にはー本の杖が転がっていた。 男は杖を手に取り、美しい娘に思いを馳せた。 深い悲しみに暮れた男は、やがて杖を持ったまま海の中に身を投じたという。 |
翠鉄の杖
太古の昔。 大地の精霊が、己が心休める場所として静かな湖を創り、その地を愛した。 そこは、魚1匹、虫1匹たりともいない静謐の場所であったが、ある夜、1人の赤ん坊が捨てられていった。
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捨てられた赤ん坊は、一晩中母親を求めて泣き続けた。 しかし、その泣き声は、人間は元より鳥にも小動物にも届くことはなく、やがて赤ん坊は衰弱して死んでしまった。
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この赤ん坊を哀れに思った大地の精霊は考えた。 熟慮の末、この地に地震を起こし、寂静の湖を大海へと繋げた。 そうして湖には魚や水鳥たちが続々とやってきて、とても賑やかになった。
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赤ん坊の魂は、もう寂しくはなかろう。 幼い魂は、今やたくさんの小さき獣や魚や花と友達だった。 大地の精霊はそれを見届けると、やれやれといった具合に、新たな安息の地を探しに行った。 |
殴殺の杖
その棒は振ることができる。 振れば相手を威嚇することができるだろう。
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その棒は突くことができる。 突けば相手を牽制することができるだろう。
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その棒は殴ることができる。 殴れば相手を攻撃することができるだろう。
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その棒は祈ることができる。 祈れば相手を治癒することができるだろう。 これはただの棒ではなく、杖なのだ。 |
残光のカルディア
砂塵吹き荒れる荒野を歩く。 風が巻き上げた砂が髪に絡み、口に触れ、眼に入る。 後ろを歩く彼は大丈夫だろうかと、振り返ると目が合った。
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僕は誤魔化すように、進む方角が正しいか訪ねた。 視界を覆う砂塵の所為か、果てしない荒野の広大さ故か、砂ばかりの荒野では、道に迷いそうになる。
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この道で合っていると、彼は答えてくれた。 お礼を言った時、ふとある考えが頭に浮かぶ。 この道は、人生に似ているのかもしれない、なんて。
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目指す場所はすぐ近くかもしれないし、遥か遠くかもしれない。 様々な事象が、その答えを覆い隠してしまう。 そんな道で僕が迷わずに進めるのは、彼のおかげだ。 |
幽囚の杖
私は殺された……はずだった。 でも目の前にいる夫の姿も、その温もりも夢とは思えない。 違和感を覚えながらも、私達は再会を喜び合った。
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私達のような脱走した者は、異分子として処分される。 その事実を知り、日常を取り戻そうと立ち上がる仲間達。 私と夫も、自由のための戦いに身を投じた。
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戦いが終わり、管理者に告げられた真実。 私達は……争いのために作られたモノでしかなかった。 そして突然、私の意識は黒く塗りつぶされた。
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与えられた最後の選択。 この問いに答えなど無いのだろう。 全ては『管理』されていたことだったから。 |
白鉄の杖
はるか昔、光の神が6つの武器を創って、世界のあちこちに隠しました。 そのうちの一つである杖は、辺境の国に静かに流れる小川のほとりに、長い間打ち捨てられていました。
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大人達は、薄汚れたそれを流木か何かだと思って気にも留めていませんでした。 その杖を拾い上げたのは、剣士に憧れる幼い少年でした。 少年は、その杖を剣代わりにして、毎日毎日遊びました。
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少年が杖を振り回して遊んでいると、時折杖から火の玉や氷の塊が飛び出るようになり、大人達を驚かせました。 少年は自分でも気づかぬうちに、いつしか強大な魔力に目覚めていたのです。
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そうして少年は成長し、世界に名を轟かす大魔法使いになりました。 しかし、本当は剣士になりたかったという気持ちは死ぬまで消えなかったそうです。 |
黒鉄の杖
神へと捧げられた少年がいた。 暗い洞穴の奥深く、祭壇に縛り付けられた少年。 それは神の怒りを収める為の贄だった。
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少年は人々を恨みはしなかった。 自分一人の犠牲で、より多くの人間が生きられる。 数字の上で正しい事は明らかだと、そう思っていた。
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そして、少年は少し楽しみでもあった。 人前に姿を現さない神の姿を、自分だけが目に出来る。 それだけで少年は満足だった。
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しかし、神が少年の前に姿を現すことは無かった。 祭壇に縛られて数日、意識が朦朧としていた少年は、現れた獣を神と思い込み、満ち足りた顔のまま喰い殺された。 |
赤血の戦棍
かつて存在したという罪深き戦闘部隊、『赤鬼』。 それは人の世に居場所の無い大罪人を活用する、血塗られた部隊。 彼等は世界へ濁流の如き悲鳴を上げる。人はそれを罪と呼んだ。
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銀雪の眼
「銀雪の狼」について。 かつて極東の高山に住んでいた一族を指す名称。 近隣の人々が彼らをそう呼称した、という経緯らしく、彼等の文献からは、自分たちの一族を示す言葉は見付かっていない。
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理由は銀雪の狼が持つ思想、教義に依る物だろう。 彼等は一年中雪に覆われるほどの、険しい高山に住んでいた。 それには人間社会から自分たちを断絶する、という意図があり、対外的に自らの存在を主張する必要が無かったのだ。
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7号の杖
この能力は、姉さんを止めるために。
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この言葉は、シロさんを宥めるために。
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この魔法は、カイネさんを救うために。
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この......は、......を愛するために。 |
塗炭の杖
この土地を引き裂く鉄格子、それは差別の象徴。 壁の向こうに住む人々は人として認識されない。 やせ細った大地は、人の心すらも痩せ衰えさせた。
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エトランゼ
東から吹く風は、再会の予感。 高く高く舞い上がれば、何も見逃さないであろうか。
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南から吹く風は、野心の高揚。 強く強く羽ばたけば、君が見ていてくれるだろうか。
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西から吹く風は、不穏の警告。 疾く疾く飛べば、僕は逃げられるだろうか。
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北から吹く風は、別れの合図。 いつになれば、君を見つけられるのだろう。 |
花憐の杖
産まれた身分で全てが決まる国がある。 その国で暮らす貴族の女。 恵まれた境遇の中で過ごしてきた彼女は挫折や苦労を知ることが無かった。
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勝利の導杖
とある時代、その国には王家に代々受け継がれてきた杖があった。 なんでもその杖で戦場を指揮すると、どんな戦いにも勝てると言われていたそうだ。
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拷奪の叩刑
私は大きな罪を犯してしまった。 その罰としてとある場所に移送され、拷問を受けるらしい。 一体どんな過酷な罰が待ち受けているのだろうか。
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金翅・冠羽
初代皇帝が愛用していた杖は、まさに質実剛健、皇帝自身の実直さと誠実さを体現するかのような、無骨な棒であった。
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廃鋼ノ禁柱
開発が進み、人の住む土地から自然が失われていた。 都市にほど近いこの森もまた、伐採が進められ、跡地にアウトレットモールを建設するという計画が進められていた。 5階分吹き抜けになったイベントホールが売りの、大規模な施設だ。
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森の中に、ひときわ高くそびえ、太く深く根を張った巨木があった。 10人の作業員が1日がかりで切り、その木は多量の赤い樹液を流して横倒しになった。 上空では、鳥達が悲鳴のような鳴き声をあげ、不気味に旋回していた。
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果たしてアウトレットモールは建設された。 しかし、外では不気味な鳴き声の鳥達が飛び回り、施設内での事件・事故が後を絶たなかった。 大々的に開業したにも関わらず、あっという間に客足が遠のき、すぐに廃業してしまった。
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打ち棄てられたアウトレットモールは廃墟となり、みるみるうちに植物に侵食されていった。 吹き抜けのイベントホールには、既に巨木がそびえ立っているが、人々はそれを知らない。 別の業者が、この跡地をテーマパークにしようという計画を立てているらしい。 |
裁定の杖
あるところに歴史を作る国がありました。 その国は、我々に3つのものを与えてくれました。 それは「過去」と「未来」と、正義を体現する「武器」でした。
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過去は、どのように我々が生まれて、いかに我々が素晴らしいかを教えてくれました。 過去を共有した我々は仲間になりました。
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未来は、希望に満ちていました。 我々はその未来を現実にするために集いました。 未来を共有した我々は国になりました。
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そうして生まれた我々の国は、自分達と違う過去を持ち、自分達と違う未来を望む国と出会いました。 集った民衆は武器を掲げ、自分たちが死ぬまで戦い続けました。 |
一輪挿の杖
とうに植物が絶滅した世界で、花に興味を持った女がいた。 女は手元にあるものを使って、造花を作ってみた。 美しいが、何かが足りない。
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まず、スプレーでより鮮やかな色で塗り上げてみた。 ネオンピンク、ショッキングイエロー、ビビットブルー。 目に楽しいが、何かが足りない。
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次に、香水で香りをつけてみた。 ムスク、マリン・アクア、アルデハイド。 かぐわしいが、何かが足りない。
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どうにもうまくいかないので、ハンマーで壊してみた。 これが「枯れる」という概念なのだろうか? ああ、美しい! 女は満足した。 |
知識の杖
とある町に物知りな魔術師がいました。 そこに真剣な顔をした若い男達がやってきます。 男達は町一番の美人に惚れており、恋人にするにはどうすればよいかと、魔術師に助言を乞いました。
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魔術師は男達に試練を言い渡しました。 まずは私の家の掃除をし、幾つかの薬草を採ってくる。 そして町の中を千周走り、一番始めに戻ったものに女を惚れさせる魔術を教えると。
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男達は魔術師の試練に挑みます。 しかし、町を千周は辛いものです。 暫くして男達は気がつきます、この苦行こそが「魔術に頼らず己の力量で惚れさせろ」という魔術師からの助言であることに。
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男達は感謝を伝えるために魔術師の元へと向かいました。 すると、そこには町一番の美人がいるのでした。 魔術師は男達に採取に行かせた薬草で惚れ薬を作り、美人を落としていたのでした。 |
プロゴノスの追憶
おじいさんが死んだ時、僕は形見として懐中時計が欲しかったのだけど、それは姉さんにとられてしまった。 家にこもって本ばかり読んでいる君には必要ないでしょ、と一笑に付された僕は、代わりに革表紙の日記帳を譲り受けた(相当のボロだ)。
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かくして僕のものとなった日記帳に記されていたのは、おじいさんの旅の記録だ。 僕のおじいさんは家でじっとしていることができない人で、年中旅をしていた(そのせいで、随分とおばあさんを困らせたみたいだ)。 ゆえに、僕も直接会話した記憶は少ない。
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「A州の小汚いパブにて、珍妙な郷土料理を食す」 「B自治領に入ったところをスリ集団に囲まれて一文無しに」……。 棚いっぱいの冒険物語(子供向けのやつだ)に飽き飽きしていた僕にとって、おじいさんの「冒険」は少し悪っぽくて、たまらなく憧れた。
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さて、時計がないから正確な時間はわからないが、窓の外から汽笛の音が聞こえた。 僕は、日記帳を父さんの旅行鞄に押し込んで(勝手に拝借)、家を出た。 おじいさんは、僕にもこうしてほしかったに違いない。 空白のページは、僕が引き受けるつもりだ。 |
神秘石の杖
深い、深い、谷の底でとある鉱石が発掘される。 強い魔素を帯びた鉱石はあらゆるものに加工され、この世の奇跡を人に与えた。
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幽光のステファノス
新たなる光。 夜を照らし、いずれ世を照らさんと願う。
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BSE_TypeMW
その少女には叶えたい夢がありました。 それはお医者さんになるという夢です。 彼女の母は過労によって、足を悪くしていたので治してあげたいと思っていました。
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抗抵の薬杖
ぼくは色をしらない、ずっと目かくしされているから。 ぼくは歌をしらない、話し相手がどこにもいないから。 ぼくは雨をしらない、一度も外にでたことがないから。 でも、本当はそれに安心してるんだ。
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あたしは光をしらない、たくさん人を殺しているから。 あたしは海をしらない、道具として生みだされたから。 あたしは愛をしらない、生きてる価値なんてないから。 でも、どうやって死ねばいいんだろう。
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おれは夜をしらない、明るい夢をずっとみているから。 おれは嘘をしらない、こわくて耳をふさいでいるから。 おれは傷をしらない、ずっと誰かに守られてきたから。 でも、早く死ななくちゃいけないんだ。
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わたしは神をしらない、だれにも与えられなかったから。 わたしは罪をしらない、よごれた血がながれているから。 わたしは命をしらない、もうみんな死んでしまったから。 でも、あなたに聞いてもらえてよかった。 |
黒の渇仰
「次、失敗しないようにすればいいさ」 誰もがそう口にする、悔やんでいても過去は変わらないと。 けれど、過去の傷も変わらず、癒えることはない。 だから僕は願う。この痛みを忘れる事ができれば。
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「今を頑張れば、先に待つ未来も自ずと良くなるよ」 誰かがそう言った、未来を不安に思っていても仕方がないと。 でも、未来が分からないなら、僕は何を頑張れば良い? だから僕は望む。進むべき未来が明らかになる事を。
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「今は一歩ずつ前に進もうよ」 君は僕にそう言った、時間は待ってくれないからと。 だけど、何処に進めば良いのか、僕にはまだ分からない。 だから僕は祈る。時が止まってくれれば良いのに。
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「■■■■■■■■■■■■」 そう言ったのはきっと、僕自身だ。 変わらぬ過去と見えない未来の狭間で、僕を置いて時は進む。 全てが手遅れになっていく。だから僕は――― |