猫様の下僕姉弟の生活

猫様とゲームとコスメ

【死噛】プレイした感想・評価。バディと協力して怪異に立ち向かえ

死噛 (シニガミ シビトマギレ)をプレイした感想と評価レビューをまとめます。

まず結論から

楽しめるけれど気になる点が多いゲームでした

評価は           3.5くらいです

本作は過去作である「死印」の続編となる心霊ホラーADVとなります

あまりノベルゲームはやらない身ですが、前作の「NG」が面白かったため期待して購入しました

以下、個人的な意見をまとめていきます

 

良かったところ

待望のシリーズ最新作

クラウドファンディング実施後、発売延期のトラブルもあったものの無事に最新作が発売されました

前作の「NG」では新規キャラクターを中心に話が繰り広げられましたが、今作は「死印」の続編に位置しているので、過去作に思い入れがある人ほど楽しめるかと思います

また、過去作を知らないプレイヤーでも楽しめるように購入特典として死印のコミックがついていますし、ゲーム内でも簡単な説明がされるので問題ありません

今後もシリーズ作品として展開を楽しみにしています

 

悪かったところ

緊張感が薄い

個人的には「NG」のようなプレイスタイルを期待していたのですが、そこに関しては期待外れでした

というのも、事あるごとにキャラクター達が次に何処に行くべきなのか、なにをやれば良いのかを強調してくるため、それに従っているだけで終わってしまったからです

また、怪異に対してプレイヤーは今持っている情報を使ってどのようにして切り抜けるのかを考えるのが楽しく、失敗すれば死亡するという緊張感が良かったのですが、今作は間違った行動をした際に懇切丁寧にヒントを出してくれますし、そもそも選択肢が少ないので総当たりでも問題ないというのが残念でした

しかも各章ラストの怪異戦では、選択を誤り死亡したとしても直前からやり直せるので、その点でも緊張感が削がれてしまいました

もちろん、進めやすさと難易度のバランスを取ることは難しいと思いますし、サクサク進められた方が良いという人もいると思います。前作でもそれなりにヒントを出してくれていましたが、本作ではそれがちょっと露骨すぎるなと感じてしまいました

また、怪異に対して素人であった「NG」のキャラクターに比べ、既に怪異を経験しているキャラクターが代わる代わるに登場するため、キャラクターが怪異から受ける恐怖心が薄く、それがプレイヤー側に伝播してこない点が非常に気になりました。その上、選択を誤り仲間が死んでしまった場合でも、それ以降のストーリー展開にほぼ影響が出ない点も雑に感じました

あとスチルでやたらセクシーさを押してくるせいで「違う、そうじゃない」感が強かったです。映画などではホラーとの親和性があるように思えますが、そういうのは本作には求めていなかっただけに残念です

 

テンポが悪い

操作形式の変更

今作ではキャラクターを直接操作してマップを移動するサイドビュー形式に変わりました。そのため移動パートが発生しますが、これの割合が思ったより多く、テキストベースとして楽しみたかった身としては動かすのが手間に感じてしまいました

ただし文章だけだとプレイヤーに状況を伝えるのにも限度がありますので、どのような場所にいるかだったり、どのような構造をしているかなどが視覚的に分かるのは状況把握がしやすかったので良かったとは思います

 

HPの存在

キャラクターは怪異的な現象に相対することで精魂(HPのようなもの)が減り、これが0になると死亡(ゲームオーバー)となります

この仕様自体は別に構わないのですが、各探索ポイントを調べたり、ストーリーを進めたときに強制的にダメージを受けることがあり、その状態で進めて「サスペンシブアクト」に遭遇すると、一種の詰み状態になることがありました

「サスペンシブアクト」では、行動する度に精魂を消費する上に、成功率というもの付いているせいで仮に正しい選択肢だった場合でも行動に失敗して精魂だけ減ることがあり、更にターンの進行により強制ダメージを受けることもあるため、仮に全て正しい選択肢をしていても死亡してしまう状況に置かれることがありました

その場合は、最後に保健室に入った段階からやりなおす必要がでますし、それを防ぐためにある程度探索したら保健室に戻る必要が出てくるためテンポが悪かったです

また、「集めれば多少は楽に進められるようになる」的な立ち位置として「不気味な歯」というアイテムが用意されていますが、これを集めることでプレイヤーの最大HPが上がったり、全て集めることで人物ファイルがアンロックされていくため半ば強制的に収集しなければならない点も良くありませんでした

これのせいでストーリーを読み進めたいのに、探索に時間を割かれてしまうのが面倒に感じてしまいました

 

規模が小さい

本作は学校を舞台にしているため、学校にまつわる怪異が題材となっています。例えばトイレの花子さん、カシマレイコ、こっくりさんなど誰もが知っているような話をベースとしています

そこにアレンジを加えた形となり話の広げ方は良かったのですが、学校に閉じてしまっているため登場人物が限定されており、話の大筋が読めてしまいストーリー展開に驚きを感じられませんでした

唯一、ストーリー終盤では本作の根幹にまつわるオリジナルの話が展開されていくため、ここは楽しめました

また学校内の移動がメインであり、同じ場所を反復するため視覚的にも新鮮味に欠けてしまうのも良くありませんでした。霊園や病院といった「いかにも」というエリアを設けていたので、それらもふんだんに使って欲しかったです

 

まとめ

最新作を結構楽しみにしていただけに、ちょっと期待値まで届かなかったかなといった感じでした

とは言え、ストーリー自体はそれなりに楽しむことができましたので、また新しい形で続編などを出してもらえると嬉しいです

個人的な話ですが、同社から出ている「黄泉ヲ裂く華」をプレイしたせいで、怪異が出現すると倒したいという邪念が出てきてしまいました

 ホラーノベルゲームが好きな方にオススメです