Wo Long: Fallen Dynasty(ウォーロン フォールン ダイナスティ)をプレイした感想と評価レビューをまとめます。
まず結論から
結構楽しめるゲームでした
評価は 4.0くらいです
本作は後漢末期の「三国志」を舞台としており、プレイヤーは名もなき義勇兵として戦いに巻き込まれていきます
ジャンルは剣戟アクションで、公式が死にゲーを謳っているように難易度もそこそこ高めとなっています
当初は購入する予定は無かったのですが、体験版をプレイしたところ結構楽しめたので急遽買うことにしました
以下、個人的な意見をまとめていきます
良かったところ
仁王×SEKIRO
本作は仁王の基本システムにSEKIROの弾き要素を取り込み、そこにオリジナル要素を追加したような内容となっています。そのためいずれかのゲームをプレイしたことのある人であれば取っつきやすく、楽しめるかと思います
特に弾きシステムである化勁(かけい)は、どんな攻撃だろうがタイミングさえ合っていれば無効化することができるので、上手く行くと気持ち良かったです
中でも敵の秘技(赤く光る攻撃)を化勁に成功すると専用のモーションが再生され、敵の氣勢を一気に削ることができるのでスタイリッシュさも合わさって楽しむことができました
また化勁は敵の氣勢を減少させつつ下限を削り、自分の氣勢を上昇させるという効果を持つため、成功させればさせるほど有利な立ち回りができるようになります
そのためプレイヤースキルの上達が実感できる点も良いと思います
購入特典の装備が神
プレオーダー特典として「朱雀の戦鎧 一式」、早期購入特典として「白虎の戦鎧 一式」、シーズンパス特典として「青龍の戦鎧 一式」を入手することができます
大体予約特典に付いてくる装備とかは、序盤にチョロっと使えるくらいの性能なことが多いですが、これらはゲームクリアまで使える性能をしていました
他の装備同様に強化できるので防御力も問題ないですし、属性耐性を特化できるのでボス敵に合わせて切り替えることで効果的に使えるのも大きな利点です
また、この装備には「追随」という特殊効果が付いており、所持している装備品の中で一番高い強化段階まで素材と銭を消費することなく強化することが可能なので、1部位強化すれば他3か所は無料になる所もお得でした
しかも装備重量を初期値から増やさなくても全身装備できるようになっているので、他のステータスにポイントを割り振れる利点もあります
ランダムに付与されているオプションとか揃え効果とか気にしなくてもクリアできる難易度のため、装備品を集めるのに時間を使わなくて良いので楽でした(しかし、その他の装備を一目も見ることなくクリアまで行けてしまうので、そこに関しては勿体ない感があります)
クリアしやすい工夫がされている
「召兵の虎符」というアイテムを使うことで特定の武将を2人まで呼ぶことができ、死亡するまで一緒に戦ってもらうことができます(ステージによっては一部固定)
単純に手数が増えるので敵を倒しやすくなるため、ソロプレイが厳しい場合は一つの手段として用いることができます
また武将ごとに設定されているバフがかかるため自身を強化することができたり、一緒に戦うことで結義(好感度)が上がり装備が貰えたりもするので利点も大きいです
他プレイヤーとのマルチプレイも可能で、こちらではHPが0になってしまっても救援ゲージが残っていれば復活させられるので、多少難易度が下がった状態で遊べるかと思います
しかし、化勁を決めることで敵の攻撃をしのいだり、氣勢を一気に削って絶脈(致命の一撃的なもの)を決めるところが本作で一番楽しく感じるポイントだと思っていますが、NPCがいるとターゲティングが外れたり、そもそもすぐHPがすぐなくなるので使い物にならなかったりするので、個人的には1対1で戦えるソロプレイを推奨します(特にボス戦)
悪かったところ
仙術の性能が微妙
遠距離攻撃や、バフ・デバフを行える魔法的な手段として仙術というものがあり、「木・火・土・金・水」の5属性用意されています
それぞれキャラクターのステータス値に応じて攻撃力が上がったり、強力な仙術が使えるようになっていくのですが、自分のやり方が悪いのか碌なダメージを出すことができずに攻撃手段として機能していないと感じました
また、「火に水を当てる」など有利属性での攻撃を行うことで敵の仙術を打ち消すこともできるのですが、仙術の攻撃発生が遅いので当て辛かったり、気勢の消費量が多いため有利な状況を作ろうと思ったら攻撃を受けて逆に不利になったりと、リスクに見合ったリターンを得ることができないのでほぼ使うことはありませんでした(一応、ステ振りによっては気勢の消費量を70%程度に抑えられますが、それでも微妙だと思います)
仁王の札やクナイなどと比べると余りにも使い勝手が悪かったため、仙術を使うくらいなら普通に攻撃した方が早いという結論に至りました。その代わりに序盤から使える「ダメージを与えると割合で回復できる」ものや、「武器に一定時間属性を付与できる」ものなど自己バフ系の仙術は使い勝手が良かったので、それらは最後まで使うことができました
単純にリソースが無限なため性能を抑えめにしているのか、実は特化させることで強力な攻撃手段になり得るのかなど真実は分かりませんが、もう少し性能が高くても良かったんじゃないかなと思います
また上記理由から仙術のためにステータスを割り振る必要がなく、とりあえず木徳に特化しておけばクリアできるのでビルドによる多様性が無いように感じました
ボスの強弱差が酷い
本作では名だたる武将がボスとして立ちふさがるのですが、やたら弱いボスとやたら強いボスとの差が酷いなと感じました
例えばストーリー終盤で戦う張遼はかなり強く感じましたが、その後に出てくる袁紹は初見で倒せるくらい弱かったりしたので終盤ほど顕著だったと思います
また全ての元凶である于吉がラスボスとして登場しますが、ぶっちゃけこいつも弱い側のボスなので拍子抜けしました。特に2戦目では、龍と合体し全属性の仙術を使いこなすなど強大な敵感はあったのですが、ストレートで勝ててしまいこれマジ?って感じでした
まさかこれで終わりじゃないよな?と危惧していたところに覚醒于吉との3戦目が待ち構えており、歯応えも中々あったので楽しめたのですが、数回やったら勝ててしまいそのままエンディングに突入したのでなんか残念でした(SEKIROで例えるのなら弦一郎からの一心を何とか倒し、そこから達成感を得られるような作りではなかった)
正直なところ敵の強さ云々もありますが、于吉自体がせこい立ち回りを繰り返して戦場をかき乱しているだけの小物なので、敵としての魅力が1mmもないのが原因なような気がします
なので、守りたい者のために敢えて敵方に属していた呂布の方が印象深い上に、ボスとしてもかなり強く作られていたので、こちらの戦いの方が燃えました(2重の意味で)。特に1戦目は勝てるまで1時間くらいかかりましたが、緊張感があって楽しかったです
まとめ
高難易度でありながらも流れるように繰り出される剣戟アクションは爽快であり、ゲームとしても高レベルにまとまっていたため非常に楽しむことができました
しかし仁王と比べるとストーリーやシステム面がやや劣っているように感じられたため、若干のマイナス評価を入れています
また完全ソロプレイをしていましたが、ステージ数もそこまで多くないので約30時間でクリアできてしまうのもややボリューム不足を感じました(やり込もうと思えば2倍は遊べると思いますが)
エンディングで司馬懿が出てくるなど、今後の展開を匂わせるムービーが最後に流れるため、DLC1~3を楽しみに待とうと思います