Astria Ascending(アストリア アセンディング)をプレイした感想と評価レビューをまとめます。
まず結論から
バグや不便さが気になるけどギリギリで凡ゲーでした
評価は 3.0くらいです
※先に言っておきますが、評価1や2がついてもおかしくない作品なので修行僧向けです
アストリア アセンディングはプレイヤーが「デミゴッド」と呼ばれる選ばれし8人の英雄を操作し、敵勢存在から世界を救う内容となっています
ジャンルはRPG×ターン制バトルなのでプレイヤースキルも必要なく、誰でも不自由なく遊べます
またミニゲームとしてシューティングやカードゲームなども用意されています
以下、個人的な意見をまとめていきます
良かったところ
多様な種族が共存する世界観
物語の舞台となる「オルカノン」には一般的なヒューマンに加え、水棲のペスカ族、巨躯なアルクタン族、翼の生えたアウィシー族、鱗に覆われたゼフト族など多種多様な種族が存在しています
僕はグラブルを長年やっているので、こういった複数の種族が共存している世界というものが好物です(ちなみにアルクタン族女性はエルーンのような獣耳を持つのですが、仲間にはならないのでショック!)
また本来は思想の違いから種族間で争う関係でしたが、本作のメインテーマである「調和」により「デミゴッド」が誕生してからは共存関係にあるという設定が組み込まれています
そしてその「調和」の良し悪しを巡ってストーリーが展開していくので、そこが面白かったです
悪かったところ
とにかくバグが多い
本作が良評価を受けない理由は色々と挙げられますが、原因の大部分は大量に放置されているバグと言っても過言ではありません
いくつか例に挙げると、メニューカーソルの挙動がおかしい、特定のモーションやエフェクトが再生されない、イベントが発生しない、特定の場所でフリーズするなどがあります
中でも凶悪なのはイベントが発生しない類のもので、これはメインストーリー、サイドクエストのどちらでも起こりえます。内容としては、目標の人物やオブジェクトがエリアに配置されない、会話しても話が進まないといったものでゲーム進行不可バグと呼ばれる最も残してはならないバグです
おそらく複数のフラグを立てること(サイドクエストを同時に何個も受けるなど)で発生しやすくなっているものと思われます
僕は1個ずつサイドクエストを処理していたため幸いバグは発生しなかったのですが、フォーラムなどを見ると結構発生しているようなので不安定と言えます
一応Steamの公式スレッドでバグのレポートを受けたり、それについて回答していたりと開発者がアクションを起こしており直そうという意志は感じられるのですが、だからと言って修正が入ったかという別にそうではないので傍から見ても印象は良くないですね
このゲームの「売り」ポイントが苦痛
まずはSteamの紹介文より本作のアピールポイントを抜粋します
オルカノンの広大かつ美しい世界を冒険
ユニークな生き物たちが住む5つの都市を訪れ、20以上の危険なダンジョンで謎を解き明かそう。プレイ時間は50時間以上。シューティング、オリジナルのファンタジーカードゲーム、周囲の環境に組み込まれた難解なパズルなど、様々な楽しいミニゲームも用意されています。
運命と犠牲の壮大な物語
裏切り、犠牲、畏怖に満ちた魅惑的な物語世界に没頭してください。成熟したキャラクターと膨大なセリフが物語を繰り広げる「Astria Ascending」は、大人でもじっくり楽しめるゲームです。
満足感たっぷりのターン制戦闘システム
ハマること間違いなしのターン制戦闘システムで、200種類以上のモンスターたちと戦おう。伝説のビーストを集めてバトルに召喚しよう。パワーをためれば、かの有名な「コスモブレーク」が発動する!
一度会ったら忘れられない登場人物たち
様々なスキルを持ったファンタジー感あふれる種族が勢ぞろい。カスタム可能な8人のキャラクターから選んで、ヒーローチームを結成しよう。すべてを犠牲にしてでも世界を救え!独自のスキルを操る20種類のクラスから選択してプレイ。彼らの終焉はすでに決まっているが、世界の運命は変えることができる。t.
熟練の技と情熱で作られた“手描き”の冒険
「ファイナルファンタジー」、「ニーア オートマタ」、「ブレイブリーデフォルト」を手がけたメンバーが開発チームを結成。「Astria Ascending」は日本語と英語のフルボイスでプレイできます。完全手描きの伝統的なアニメーションが繰り広げる2次元世界には、ダイナミックな天候システムも用意されています。
シューティングゲーム
ストーリーを進めるうえで何回かシューティングゲームをやらされます
これは横スクロール式で敵の弱点に合わせて属性を切り替えながら進むというものですが、淡々と敵を倒すだけでまるで爽快感は無いです
しかも自機のHPが少なく油断すると失敗するため無駄な徒労感だけが残ります
オリジナルのファンタジーカードゲーム
こちらは「J-STER」と呼ばれる複数の駒(トークン)を使用したミニゲームとなります
内容に関してはオリジナルを豪語していますが、ぶっちゃけFF8にあるカードゲームとほぼ同じルールなので既視感がバリバリあります
トークンの向きによる数字の強弱作用など独自ルールを持たせていますが、そんなこと考えずに数字の大きいトークンを適当に並べていれば勝てるレベルというのも虚しいです
また登場するほとんどのNPCと「J-STER」で対戦することが可能ですが、勝ってもいくつかのトークンが貰えるだけなので本当に気に入ったプレイヤー以外はガンスルーしている遊びだと思います
ストーリーを進めると行けるようになる闘技場的なところでは勝利報酬としてアイテムやお金が得られるため唯一意味のある場所と言えます
一応、不要なトークンを少量の経験値やSPに変換できる隠しショップもありますが、それを匂わせる導線が薄く、ストーリーをクリアしてから見つけたので意味のない存在と化していました
周囲の環境に組み込まれた難解なパズル
個人的にはこれが一番イラつきました
もちろん、ステージ上に謎解きのギミックを配置するのは構わないのですが、ほぼ全ステージに用意されておりゲーム進行のテンポを著しく低下させているのがいただけませんでした
また、こちらとしてはストーリーを楽しみたいのですが面倒なパズルが何回も続くため、やる気が削がれゲンナリとしてしまうことが多かったです
・・・など、様々な楽しいミニゲームの謳い文句とはかけ離れた実情でした
戦闘バランスが悪い
まず言っておきたいのが、標準難易度であるノーマルモードが女神転生3のハードモード並みに厳しかったということです
これの原因の1つとしてステータスの上昇機会の低さが挙げられます
各キャラクターはジョブに対応するアセンションツリー(FFのスフィア盤みたいなの)を持っており、戦闘で得られるSPを使用して強化するスタイルとなっているのですが、SPの必要量が多く、その割にはステータスの向上が小さいため強くなったという実感をほぼ得られませんでした。一応レベルアップでもステータスは上がりますが、微々たるものなのでアセンションツリーによる強化が本体と言えます
また、戦闘ではAGI(行動速度)が高い順に行動可能となりますが、AGIを上げられる箇所が限られている上に奥のほうに用意されているため確保が難しいステータスとなっています
行動順に関わる重要なステータスであるにも関わらず、雑魚敵のAGIが当たり前のようにこちらを上回っていて先行を取られる、なんてことが多かったため怠さが目立ちました
イージーモードも用意されていますが、こっちは簡単すぎて作業となってしまうため何だかなぁといった感じです
後はアセンションツリーの強化上限が決まっているためステータスの打ち止めが速く、敵が一方的に強くなっていく印象を受けました
「デミゴッド」は余命が3年になる代わりに「調和」を守るための力を手に入れるはずなのですが、この設定がガン無視されているのが不服でした
初期レベル1だし、最悪下水道にいるネズミに殺される始末ですからね
君たち今まで何してたの・・・って感じです
サイドクエストのナビゲートが雑
おそらく全プレイヤーが感じたと思うのですが、とにかく目標の表示とそのナビゲートが非常に雑です
具体的に言うと、サイドクエストを受けた後に「〇〇と話す」「〇〇を倒す」などの目標が設定されますが、その対象がどこにいるのかが全く不明なのです
どの街にいるのか、どのエリアにいるのかすら不明なこともあるため一度クリアしたマップを端から端まで走り抜けるなんてことが常でした
街やエリアの名前が記載されている優しいものもありますが、普通であればそれが当たり前なので、その形式で統一して欲しかったです
また「炎ヶ原」を火の国、「群島」を風の国などと突然呼称し始めるものもあり、何故ここまでプレイヤーを困らせる作りにしたのかが疑問です
まとめ
正直なところバグが多いだけでなくプレイヤーにとっても優しくない仕様の多いゲームなのでライト層は絶対に買わないほうが良いです
また、やるにしてもノーマルモードだと大変なので(プライドが許せば)イージーモードでサクッとメインストーリーを見るのが良いかと思います
あまり声を大にしてオススメできない作品ですが、凡ゲーとクソゲーの中間的な位置にあり、ゲームとして破綻しているわけではないないのでギリギリクリアまでは遊べる内容と言えます